不健康でも母である

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「やめたいのに、やめれない」を読んで


やめたいのに、やめられない (強迫性障害は自分で治せる)
やめたいのに、やめられない (強迫性障害は自分で治せる)
マキノ出版


前回、適応障害についての本を読んだ感想を、
と書いたが、私にはまだ他の症状もあり、
診断結果として報告されている。


今回は、その中の1つ「強迫観念障害」について読んで、
感想としてまとめようと思います。


性格でも癖でもない「心の病」

強迫観念障害は、以前は不安障害の一種とされていた。
不安障害とは、パニック障害・社会不安障害などの不安を主する疾患である。
本人はやめたくても、ある考え(強迫観念)を基に繰り返し、
そこから生まれる苦痛などから逃げるために行動(強迫行為・儀式)がやめれない。
強迫観念障害は、上記のような「やめたいけどやめれない病気」である。


最も多いのは、①不潔恐怖・洗浄強迫②加害・確認である。
は、頻繁に手を洗ったり入浴をしたりと汚れが気になる症状である。
は、ガスコンロのガスがついていると思い込み、何度も見に行くなどである。
に含まれている加害は、誰かを傷つけていないか極度に不安になることです。
ふと思いついた疑念をすべて確認しないと気が済まない確認、
セクハラだと思われてないか不安であいさつすら怖い加害、
それだけではなく、縁起や収集、不完全恐怖、
縁起の中には、娘に不吉なことが起きることを過剰に嫌がり阻止する、
プレゼントでもらったものが汚れると不吉なことが起きる予兆だと思うなどです。
収集癖は、限定だから今しかないと思い無理でも購入したり、
立ち入り禁止を見るとその中を見る(取得)したい気持ちで入り込むなどがあります。
不完全恐怖は、自分が完璧化を何度も確認をしてしまう、
「本当にこれでいいのか」が気になり、次の行動が起こせないなどです。


第2章 強迫性障害とは

強迫性障害とは、突然不安な考えが浮かんできて
それを取り除くための行動を繰り返し、生活に支障を出す病気のことです。
上記のような症状が主にありますが、重複している方もいます。


強迫観念が起こる理由は、「万が一の将来起こるかもしれないことへの恐怖」です。
この恐怖がトリガーとなり、儀式を繰り返し、徐々に重症化していきます。
病気など対処法が分かっていることへの恐怖を持つ方は稀で、
多くは可能性の低いものへの恐怖が多いようです。


強迫性障害になる原因は、「気づいたらそうだった」とあいまいです。
ですが、掘り下げていくと、「厳しい家庭だった」など、
【家庭の環境】が関わっていると思われます。


また、私のように家庭に入った(結婚をした)ことにより、
家事が主になり、凡ミスをすることなどで夫から何かを言われることが怖くて
強迫観念が増していくケースもあるようです。
私だけじゃなかったことに驚きました(笑)


強迫性障害の人も人間ですので、家庭に影響を与えてしまいます。
例えば、不潔恐怖症が重症化した場合は家族が「大丈夫だよ」と言ってあげないと、
肌が赤く腫れても洗い続けてしまいます。
「大丈夫」ということで一時的に安心できますが、またトリガーを引いてしまうと繰り返してしまうので家族は毎回安心を与えなければなりません。
また、確認の症状の場合は「鍵を閉めたか」で何度も帰ってしまったり、
家から出るときは閉めたか確認を家族に頼むために先に家を出るなどの行動をします。


症状のある本人だけの問題ではなく、
その症状が出始めた原因も家庭にある可能性があると思うと少し怖くなりますね。


第3章 強迫性障害を自分で治す エクスポージャーと儀式妨害

正しい治療を施すことで、強迫性障害を緩和させることは可能です。


1980年代から海外で研究されていた「エクスポージャーと儀式妨害(以下ERP)」
ERPを簡単に言うと、
不潔恐怖症の人にはエクスポージャー(触らせる)をし、
綺麗にしようとする儀式を妨害していく時間を徐々に増やして、
ほおっておいても大丈夫と脳に覚えさせることを言います。


上記のように簡単に言うとすぐに実践したくなりますが、
理解したうえで行わないと逆効果や音を上げてしまう結果になってしまいます。
なので、ERPを試す際は自己判断や家族だけで決めるのではなく、
医師と相談をしながらゆっくりと行うことをお勧めします。


強迫性障害のトリガーは、

  1. リスクの思い付き
  2. 嫌悪感の回避
  3. 自分ルールで回避が成功
  4. やり続けようと思う

という順番です。
そこから、リスクを思い出し、繰り返すに発展します。


強迫観念が「やりたい」になっているひとは「やめたい」に変えましょう。
やりたい理由は恐怖からきているので、その恐怖を共感し、
繰り返してしまう感情にも共感をしたうえで、提案をしましょう。
赤くなるまで洗ってしまう人には、

  1. 赤くなるのはつらいね
  2. 痛くならないために、嫌かもしれないけど洗う時間を短縮しなければならない
  3. だけど怖いと思うから、石けんを使って洗ってみよう
  4. 一度ペンで絵をかいて、それが消えたら洗うのをやめよう

というように、繰り返してしまう人の気持ちになって対処法を伝えましょう。

  • 繰り返してしまう本人は、セルフモニタリングを行います。
  • 恐怖を感じた時と対処したいと思った時
  • どんな時に対処したか、我慢できた時があるか
  • 対処にかかった時間

を書き出してみましょう。
そのあと、「将来の自分はどうなりたいか」を考えます。

  • 強迫観念がなくなった自分が持ちたい夢はあるか。
  • 強迫観念より守りたいものはあるか。
  • ERPを行うことができるか。

この3つに「はい」と言えるようになれば、ERPを始めましょう。
「いいえ」がある場合は、成功確率は低いので避けましょう。


こう書いてみると、ERPが如何に本人のストレスや反動になるのかが分かりますね。
実行するのは怖いですが、セルフモニタリングはとても大事だと思います。



まずは徐々に自分を知ることから始めると、
怖いことが減るのではないでしょうか。


私は、徐々に治まってきていますが、
いつ再発するかなんて人間なので分かりません。


日頃から自分を見直すことで、小さな変化を知り、
自己対処を過度じゃない程度で行えるようにしたいと思います。